Ⅰ 民事紛争の解決に向けて


 1 民事紛争の解決手段

 2 法律関係専門職の選択

 3 法律相談

 4 弁護士の選び方

 5 信頼関係―余禄

 


  
  


    * ここでは、民事紛争の解決に向けてと題して、紛争の解決手段、専門職の選択、
     法律相談、弁護士の選び方、信頼関係について整理し、考えを述べてみました。

     ・「社会あるところ法あり」との法諺がありますが、人間社会のあるところ、紛
      争が必ず生じ、紛争解決のための機構(裁判所)が整備され、裁判基準として
      の法が定立していく様を表したものです。
       法治国家においては、紛争も法に基づいて解決されることになりますが、紛
      争の解決方法には様々なものがあります。
       自力救済は、緊急やむを得ない場合に、必要な限度内で、例外的に認められ
      ています。当事者の交渉によって解決する場合が大多数であろうと思われます
      が、メリット、デメリットをよく理解する必要があるでしょう。
       裁判外紛争解決手段としては、裁判所の調停が典型でしたが、近時は、各士
      業団体がADRを設けるなどし、対象となる紛争形態も含めて多様な状況を呈
      しています。そして、一般的、強行的、公権的な紛争解決の方式として民事訴
      訟があります。
       民事紛争を解決するには、各制度の特質や長短を考え、じょうずに利用しま
      しょう。

     ・ 日本における専門職には様々なものがあり、法律に関連するものとして、弁
      護士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士などがあります。
       ことに前三者については、HPやその他広告の文言からは区別しにくい状況
      にありますが、その業務範囲には大きな相違がありますので、利用される場合
      には注意が必要です。
       短い表現では、「『法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件』につい
      ては、弁護士及び認定司法書士(研修を受けた司法書士、簡裁代理権(140
      万円まで)の範囲に限る)のほかは扱うことができません」ということになり
      ます。

     ・ 「法律相談」は、法的問題について専門的な意見や分析を提供したり、紛争
      解決に必要な法的手段の教示をするものですが、有料で行ったり、「法律相談」
      の表示ができるのは、弁護士と認定司法書士(一定限度内)に限られるので、
      その点注意が必要です。
       法律相談の窓口は多々あり、その制度趣旨も異なりますので、適切に選択し、
      じょうずに利用しましょう。  
       また、できる範囲で準備をしておくと、効率的に法律相談を受けることがで
      きます。

     ・ 弁護士を選任する場合には、その弁護士との間に「信頼関係」を結べるか、
      維持できるかが一番重要なポイントになります。
       実際に事務所を訪問し、面談をしてみれば、事務所の様子や弁護士の話ぶり
      などから、時間をとった丁寧な案件処理を期待できるか、該当問題に対する知
      識や経験の有無、人柄等を知ることができます。
       まずは、法律事務所に足を運び、弁護士と面談してみてください。